
「特別悲しいことがあったわけでもないのに、涙が出てきた」
「仕事中なのに、急に泣きそうになった」
「家に帰った途端、なぜか涙が止まらなくなった」
そんなことがあると・・・
「どうして泣いているんだろう」
「自分でも理由が分からない」
と戸惑ってしまうことがあります。
人が涙を流す理由は一つではありません。
悲しいときだけでなく、強い緊張や不安を感じたとき、つらい出来事があったときなどにも涙が出ることがあります。
また、疲労や睡眠不足、ストレスが重なっているときに、気持ちの変化を感じることもあります。
ただし、「突然涙が出る=ストレスが原因」と決めつけることはできません。
大切なのは、涙だけを見るのではなく、「最近の自分に、ほかにも変化がなかったかな」と振り返ってみることです。
この記事では、突然涙が出るときに考えられることと、そんなときにどう過ごせばよいのかを紹介します。
ストレスが続いているときに涙が出ることはある?
仕事、人間関係、家庭のこと、将来への不安。
一つひとつは何とか対応できていても、いくつもの負担が重なっていることがあります。
厚生労働省「こころの耳」では、ストレスによって現れる心理面の反応として、活気の低下、イライラ、不安、気分の落ち込みなどを挙げています。
自分では、「まだ大丈夫」「これくらいなら平気」と思っていても、気分や睡眠、食欲、行動などに変化が出ていることがあります。
そんなときに涙が出たからといって、涙だけから原因を判断することはできません。
むしろ、「最近、何か変わったことはなかったかな」と、自分の状態を広く振り返るきっかけにしてみましょう。
突然涙が出たときに振り返りたいこと
最近、無理が続いていませんか?
仕事が忙しかった。
家族のことで心配が続いていた。
人間関係で気を使うことが多かった。
予定が続いて休む時間がなかった。
こうしたことが一つではなく、いくつも重なっていることがあります。
「大きな出来事なんてなかった」と思っていても、小さな負担が続いていなかったか振り返ってみましょう。
眠れていますか?
最近・・・
「なかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚める」
「寝ても疲れが取れない」
といった変化はないでしょうか。
睡眠の変化は、ストレスが続いているときにみられることがあります。
涙だけでなく、睡眠や疲れ方にも変化がないか確認してみてください。
気分が落ち込むことが増えていませんか?
・以前より気分が沈む。
・何をしても楽しく感じない。
・人に会うのがおっくうになった。
・何もしたくない。
こうした変化が一緒に起きていないでしょうか。
突然涙が出ることだけで病気かどうかを判断することはできません。
ただ、気分や意欲などにも以前との違いが出ている場合には、その変化がどのくらい続いているかを確認してみましょう。
「我慢すること」が増えていませんか?
「迷惑をかけてはいけない」
「自分が頑張らなければ」
「こんなことで弱音を吐いてはいけない」
そんなふうに考えて、つらいことを誰にも話せずにいることがあります。
だからといって、「我慢している人は突然泣く」と、単純に結びつけることはできません。
ただ、最近誰にも話せていないことがあるなら、「実はちょっとつらかった」と、誰かに話してみることは、一つの選択肢です。
急に涙が出てきたときは、どうすればいい?

突然涙が出ると、「早く止めなきゃ」と焦ってしまうかもしれません。
でも、まずは安全に落ち着ける場所へ移動できるなら、少し時間を取ってみましょう。
無理にすぐ止めようとしない
泣いていること自体を責める必要はありません。
人前なら、トイレや休憩スペースなど、一人になれる場所へ移動してもよいでしょう。
「泣いてはいけない」と焦るより、「今は少し落ち着く時間が必要だな」くらいに考えてみてください。
呼吸をゆっくり整える
気持ちが高ぶっているときは、呼吸も速くなっていることがあります。
椅子に座るなど楽な姿勢になり、無理に大きく吸おうとせず、ゆっくり息を吐いてみましょう。
数回繰り返しながら、少し落ち着くのを待ちます。
その場ですべての理由を探さない
「どうして泣いているんだろう」
と考えても、すぐに答えが見つからないことがあります。
そんなときは、「原因を突き止めなければ」と考え続ける必要はありません。
まず落ち着いてから・・・
「最近忙しかったかな」
「眠れていたかな」
「何か気になっていたことはあったかな」
と振り返るくらいで十分です。
落ち着いたら「涙」ではなく最近の生活を振り返ってみる
少し落ち着いたら、その日の出来事だけではなく、ここ1〜2週間くらいの生活を振り返ってみましょう。
👉 仕事が忙しくなっていなかったか。
👉 睡眠時間が減っていなかったか。
👉 人間関係で気になることがなかったか。
👉 休みの日まで予定を入れていなかったか。
👉 食事が乱れていなかったか。
👉 心配事をずっと考えていなかったか。
ここで大切なのは・・・
「なぜ泣いたのか」を一つに決めることではありません。
むしろ、「最近の自分には、どんな負担が重なっていたんだろう」と、考えてみることです。
もし思い当たることがあれば、全部を一度に解決しようとせず、減らせそうな負担から少しずつ調整してみましょう。
泣いたあとに自分を責めない
人前で泣いてしまうと・・・
「恥ずかしい」
「大人なのに情けない」
「周りに迷惑をかけてしまった」
と思うことがあります。
でも、泣いたという出来事と、自分自身の価値は別のものです。
もし仕事中に泣いてしまったなら、「最近ちょっと余裕がなかったのかもしれない」と、自分の生活を振り返る機会にしてみてください。
そして、必要なら・・・
「少し仕事量を相談したい」
「今日は早めに休みたい」
と周囲に伝えることも考えてみましょう。
大切なのは、泣いてしまった自分を評価することではなく、今の自分に何が必要なのかを考えることです。
涙が出る状態が続くときは相談も考える

一度涙が出たからといって、すぐに心の病気というわけではありません。
しかし・・・
- 涙が出ることが何度も続いている
- 気分の落ち込みが続いている
- 以前楽しめていたことを楽しめない
- 何もしたくない状態が続いている
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲が大きく変化した
- 強い疲労感が続いている
- 集中したり判断したりすることが難しい
- 仕事や家事など日常生活に影響が出ている
といった変化も重なっている場合には、一人で原因を決めつけないことが大切です。
厚生労働省「こころの耳」では、気分の落ち込みや意欲の低下、睡眠・食欲の変化、疲れやすさ、集中力の低下などの症状が2週間以上続く場合には、精神科や心療内科など専門家への相談を勧めています。
涙そのものではなく、ほかの変化も含めて、どのくらい続いているかを一つの目安にしてみてください。
また、涙には目の病気や刺激など身体的な原因もあります。
感情とは関係なく涙が出続ける、目の痛みや充血、見え方の変化などがある場合には、眼科などへの相談も考えましょう。
まとめ|涙が出たら「最近の自分」を振り返ってみよう
突然涙が出ると、「自分はどうしてしまったんだろう」と不安になるかもしれません。
でも、一度泣いたということだけで、原因を決める必要はありません。
まずは少し落ち着いてから、「最近、いつもの自分と違うところはなかったかな」と、振り返ってみましょう。
🤔 忙しさが続いていなかったか。
🤔 きちんと眠れていたか。
🤔 心配事を抱えていなかったか。
🤔 我慢することが増えていなかったか。
そして、負担になっていることが見つかったら、休む、予定を減らす、誰かに話すなど、今できそうなことから考えてみてください。
涙が繰り返し出るだけでなく、気分の落ち込みや意欲低下、睡眠や食欲の変化なども続いている場合には、一人で抱え込まず専門家に相談することも大切です。
「なぜ泣いたんだろう」と答えを急ぐより、「今の自分はどんな状態なんだろう」と見てみる。
そこから始めてみましょう。