
「何もしたくない」
「やらなければいけないことはあるのに、なかなか動けない」
「以前なら普通にできていたことまで面倒に感じる」
そんな状態になると、「怠けているだけなのかな」「もっと頑張らなければ」と、自分を責めてしまうことがあります。
けれど、何もしたくない、やる気が出ないと感じる背景には、疲労や睡眠不足、ストレス、生活環境の変化、心身の不調など、さまざまなことが関係している可能性があります。
大切なのは、無理にやる気を出そうとすることより、
「最近の自分は、いつもと何が違うだろう」
と振り返ってみることです。
この記事では、何もしたくない・やる気が出ない・動けないと感じるときに考えられることと、今の自分に合わせた対処法について紹介します。
ストレスで何もしたくなくなることはある?
ストレスの原因になる出来事が重なったり、負担の大きい状態が長く続いたりすると、心や体にさまざまな変化が現れることがあります。
厚生労働省「こころの耳」では、ストレスのサインとして、不安やイライラのほか、無力感や「やる気が出ない」といった変化も挙げています。
たとえば、
- 忙しい状態が長く続いている
- 仕事や人間関係で緊張することが多い
- 心配事や考え事が頭から離れない
- 睡眠不足が続いている
- 生活環境が大きく変わった
といったことが重なると、「何もしたくない」と感じることもあります。
ただし、何もしたくない=ストレスが原因、と決めつけることはできません。
心や体の不調など、ほかの原因が関係していることもあります。
「ストレスのせいだろう」と決めてしまうのではなく、最近の生活や体調も一緒に振り返ってみましょう。
「やる気が出ない」ときに振り返りたいこと
睡眠や休息は取れていますか?
睡眠時間が短かったり、休日にも予定が詰まっていたりすると、十分に休めていないことがあります。
睡眠時間だけでなく、
「朝起きたときに疲れが残っていないか」
「日中に強い眠気がないか」
「夜中に何度も目が覚めていないか」
なども振り返ってみましょう。
頭の中がずっと忙しくありませんか?
体は休んでいても、
「明日はあれをやらなければ」
「あのときのことが気になる」
など、考え事が続いていることがあります。
仕事が終わっても仕事のことを考えている、布団に入っても明日のことが気になるという状態が続いているなら、十分に休めていないと感じることもあるでしょう。
やることを抱えすぎていませんか?
やることが多すぎると、
「何から始めればいいのか分からない」
という状態になることがあります。
そんなときは、さらに頑張ろうとするよりも、
「本当に今日やらなければならないことは何だろう」
と整理してみる方法があります。
「いつもの自分」と違っていませんか?
一番確認してほしいのがここです。
以前は普通にできていたのに・・・
- 家事がほとんどできなくなった
- 仕事に取りかかれない
- 人と話すのがおっくうになった
- 好きだったことにも興味がわかない
- 身だしなみを整えることまで面倒になった
などの変化が続いている場合は、単なる「やる気の問題」と考えないほうがよいでしょう。
「こころの耳」でも、おっくうになる、趣味への興味を失う、人との接触を避けるといった変化が、うつ病でみられることがあると紹介されています。
何もしたくないときは「全部やる・何もしない」の二択にしない

調子がよくない日に、
「今日は何もしない」
または、
「気合いを入れて全部終わらせる」
の二択にする必要はありません。
その中間を作ってみましょう。
たとえば・・・
「部屋を全部掃除する」ではなく、テーブルの上だけ片づける。
「買い物をして料理をする」ではなく、今日は簡単に食べられるものにする。
「たまった仕事を全部終わらせる」ではなく、まず一つだけ確認する。
という具合です。
小さな行動から始める考え方は、厚生労働省「こころの耳」のセルフケア教材でも「行動活性化」として紹介されています。大がかりな行動ではなく、日常的な行動を積み重ねていく方法です。
ただし、つらいのに無理をして行動し続ける必要はありません。
始めてみて負担が大きいと感じたら、そこで休むことも選択肢です。
やる気が出ない日に試したいこと
まず、今日やらなくても困らないことを減らしてみましょう。
「今日必要なこと」と「明日以降でもよいこと」に分けるだけでも、抱えているものを整理しやすくなります。
次に、やることをできるだけ小さくします。
散歩なら「まず着替える」、片づけなら「一つだけ元の場所に戻す」というくらいで構いません。
そして、食事や睡眠など基本的な生活が大きく崩れていないかも確認してみましょう。
一人で抱えていることが多ければ、家事を家族に頼んだり、仕事の優先順位を相談したりする方法もあります。
ポイントは・・・
「どうすればやる気を出せるか」だけでなく、「どうすれば今の負担を小さくできるか」
と考えてみることです。
自分を責める前に、今の状態を見てみよう
何もしたくない日があると、
「自分は怠けている」
「もっとしっかりしなければ」
と思うことがあります。
でも、自分を責めることより先に確認したいのは、その状態がどのくらい続いているか、生活にどの程度影響しているかです。
一時的に疲れているだけなら、休息や負担の調整で楽になることもあります。
一方で、何もしたくない状態が続き、以前楽しめていたことまで楽しめない、眠れない、食欲が変わったなど、ほかの変化も重なっている場合には、専門家への相談を考えることも大切です。
「何もしたくない」が続くときは相談も考える

「やる気が出ない」という症状だけで病気かどうかを判断することはできません。
ただ、厚生労働省では、気分の落ち込みや興味・喜びの低下をはじめ、睡眠・食欲の変化、疲労感、意欲低下、集中しにくいなど複数の症状が2週間以上続く場合には、専門家への相談を勧めています。
特に・・・
- 何もしたくない状態が続いている
- 好きだったことを楽しめない
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲が大きく変わった
- 強い疲労感が続く
- 仕事や家事など日常生活への影響が大きい
- 自分を強く責めてしまう
といった状態が重なっている場合には、一人で原因を判断せず、かかりつけ医や精神科・心療内科などに相談してみましょう。
身体の病気などが似た症状を起こすこともあるため、身体症状が気になる場合には、かかりつけ医への相談も選択肢です。
また、「消えてしまいたい」「自分を傷つけたい」といった気持ちがある場合は、この記事だけで対処しようとせず、身近な人や医療機関、緊急の相談窓口につながることを優先してください。
まとめ|やる気を出すことより、今の負担を見直してみよう
何もしたくない、やる気が出ない、動けない。
そんなときには、無理に気持ちを奮い立たせる前に、
「最近、無理が続いていなかったかな」
と振り返ってみましょう。
疲労や睡眠不足、ストレス、生活の変化など、さまざまなことが影響している可能性があります。
今日やらなくてもよいことを減らす。
やることを小さくする。
誰かに頼る。
休む時間を作る。
今の自分にできそうなところから始めてみてください。
そして、以前とは違う状態が続いている場合や、日常生活への影響が大きくなっている場合には、自分だけで抱えず専門家に相談することも大切です。