
「誰かと一緒にいるときは大丈夫なのに、一人になると不安になる」
「家に帰って静かになると、いろいろなことを考えてしまう」
「夜、一人で過ごしていると落ち着かない」
そんなことはありませんか。
昼間は普通に過ごしていたのに、家に帰って一人になった途端・・・
🤔 仕事のこと。
🤔 家族のこと。
🤔 健康のこと。
🤔 将来のこと。
昼間にはそれほど気にならなかったことが、次々と頭に浮かんでくる。
すると、「どうして一人になると、こんなに不安になるんだろう」と、不安そのものが心配になることもあります。
一人になると不安になる理由は、一つではありません。
静かになったことで気になっていたことへ注意が向く場合もあれば、孤独を感じていることもあります。
夜になると考え事が増える人もいれば、一人でいることそのものに強い不安を感じる人もいます。
だから、「一人が苦手な性格だから」と最初から決めなくても大丈夫です。
まずは・・・
「一人になったとき、私は何がつらくなるんだろう」と少しずつ見ていきましょう。
「一人になること」と「不安になること」を分けて考えてみる
一人になると不安になると、「私は一人でいるのが苦手なんだ」と思うかもしれません。
でも、少し細かく見てみると違うことがあります。
🤔 一人になること自体がつらいのか。
🤔 静かになると考え事が始まるのか。
🤔 夜になると不安になるのか。
🤔 誰とも連絡が取れないことが不安なのか。
🤔 体調が悪くなったとき一人なのが怖いのか。
🤔 寂しさを感じるのか。
同じ「一人になると不安」でも、中身はそれぞれ違います。
ここを分けて考えると・・・
「一人が苦手」という大きな悩みから、「私はこの場面がつらい」という具体的な悩みに変わってきます。
まずは、そこを見つけてみましょう。
静かになると考え事が始まっていませんか?
昼間は、仕事や家事、人との会話など、目の前のことに注意が向いています。
ところが家に帰って静かになると・・・
「あのときの言い方、まずかったかな」
「明日の仕事、大丈夫かな」
「これからどうなるんだろう」
と、考え事が始まることがあります。
この場合、つらいのは「一人でいること」そのものではなく、一人になったあとに始まる考え事、なのかもしれません。
そんなときは・・・
「一人でいるのが苦手」と考えるより、「静かになると、どんなことを考え始める?」と振り返ってみましょう。
いつも同じことが浮かんでいるなら、その考えそのものを整理したほうが役立つ場合があります。
「誰かがいないこと」が不安になっていませんか?

考え事とは少し違って、「誰かが近くにいてくれないと落ち着かない」という場合もあります。
🤔 何かあったらどうしよう。
🤔 体調が悪くなったらどうしよう。
🤔 困ったときに助けてもらえなかったらどうしよう。
そんな心配があると、一人になったときに不安が強くなることがあります。
この場合は、「誰かがいないと不安」から、さらに一歩進めて「何が起こるのが心配なのか」を考えてみます。
たとえば・・・
「体調が悪くなることが心配」なら、緊急時の連絡先や相談先を確認しておく。
「夜に何か起こるのが怖い」なら、戸締まりなど必要な確認を済ませる。
実際に備えられることがあるなら、具体的に準備してみましょう。
一方・・・
「何が起きるか分からないから、とにかく怖い」という場合は、いくら確認しても不安がなくならないことがあります。
そんなときは、安心できるまで確認を繰り返すのではなく、「必要な確認はここまで」と区切ることも考えてみましょう。
「寂しい」と「不安」は同じとは限らない
一人でいるとつらいとき、「不安」という言葉を使っていても、実際には寂しさが大きいことがあります。
🤔 誰かと話したい。
🤔 自分のことを聞いてほしい。
🤔 人の気配がほしい。
🤔 一緒に食事をしたい。
そんな気持ちがあるなら・・・
「一人でも平気にならなければ」と頑張る必要はありません。
人と話したいときに誰かへ連絡することも、一つの方法です。
一方で・・・
🤔 誰かと話していても不安が続く。
🤔 何度「大丈夫」と言ってもらっても、すぐまた不安になる。
という場合には、単純な寂しさとは少し違うかもしれません。
「私は今、寂しいのかな。それとも何かを心配しているのかな」、と分けてみるだけでも、必要な対処が見えやすくなります。
一人になるとすぐスマホを見続けてしまうとき
静かになるのが落ち着かなくて・・・
🤔 テレビをつける。
🤔 動画を見る。
🤔 SNSを見る。
🤔 誰かにメッセージを送る。
そんなふうに過ごすこともあるでしょう。
それ自体が悪いわけではありません。
音楽や動画を楽しんだり、誰かと話したりすることで気持ちが切り替わることもあります。
ただ・・・
「不安にならないために、常に何かで気を紛らわせていないといられない」という状態になっているなら、一度その使い方を振り返ってみてもよいでしょう。
特に・・・
不安になって検索する。
↓
検索結果を読んでも安心できない。
↓
さらに別の情報を探す。
↓
また不安になる。
という流れになっている場合には、情報を増やすほど不安が強くなることもあります。
そんなときは、「今、必要な情報を探しているのか。それとも安心したくて検索を続けているのか」と一度確認してみましょう。
一人の時間をいきなり「好き」にならなくてもいい
一人時間について・・・
「一人の時間を楽しみましょう」
「自分と向き合う大切な時間です」
と言われることがあります。
でも、一人でいることが今つらい人にとっては、一人時間を楽しむこと自体が新しい宿題、になってしまうことがあります。
だから・・・
「一人の時間を好きになろう」としなくても構いません。
まずは、「それほどつらくない10分を作ってみる」くらいから考えてみましょう。
🤔 温かい飲み物を飲む。
🤔 好きな音楽を1曲聴く。
🤔 短い動画を見る。
🤔 簡単な料理をする。
🤔 植物の手入れをする。
🤔 少し外を歩く。
🤔 本を数ページ読む。
何でも構いません。
目的は、「一人時間を充実させること」ではなく、「一人でも過ごせた時間を少し作ること」です。
静かな時間がつらいなら「少しだけ静か」にしてみる

「一人になると不安だから、静かな環境に慣れなければ」と、いきなりテレビもスマートフォンも消して、一人でじっとする必要はありません。
それで不安が強くなるなら、もっと小さく始めて構いません。
🤔 テレビは消すけれど音楽は流す。
🤔 スマートフォンを置いて、お茶を飲む。
🤔 誰かと話したあと、10分だけ一人で過ごす。
🤔 昼間の比較的落ち着いている時間に試す。
0か100かにしないことがポイントです。
NCNPの不安症に対する認知行動療法でも、不安を感じる場面を避け続けることだけではなく、その人の状態に合わせて取り組む場面や課題を設定する方法が用いられています。
ただし、強い不安を我慢して無理に一人でいる必要はありません。
「少しならできそう」というところからで十分です。
一人になったときの「いつもの流れ」を見つけてみる
ここまで読んで、「結局、自分はどうなんだろう」と思ったら、一度こんなふうに振り返ってみましょう。
一人になる
↓
何が頭に浮かぶ?
「また体調が悪くなったらどうしよう」
↓
体はどうなる?
胸がドキドキする、落ち着かない
↓
そのあと何をする?
誰かに連絡する、症状を検索する
↓
その結果どうなる?
一時的には安心するけれど、しばらくするとまた不安になる
こうして見ると、「一人になると不安」という一言では分からなかった流れが見えてきます。
NCNPの不安症に関する認知行動療法でも、不安を引き起こす状況、そこで浮かぶ考え、身体反応、そのときの行動などを整理していく方法が使われています。
大切なのは・・・
「一人でいることが悪い」「スマホを見るのが悪い」と評価することではありません。
自分がどんな流れで不安になっているのかを知ることです。
流れが分かれば、どこを少し変えられそうか考えやすくなります。
一人でいることを避け続けているなら
🤔 一人になるのが不安で、できるだけ誰かと一緒にいる。
🤔 常に誰かと連絡を取る。
🤔 一人になる予定を避ける。
ということが増える場合があります。
もちろん、不安が強いときに人を頼ることが悪いわけではありません。
ただ・・・
「一人になるのが怖いから」という理由で生活できる範囲がどんどん狭くなっているのであれば、少し注意が必要です。
不安を感じる場面を避けることで一時的には楽になっても、避けることが増えると、その場面への不安が続く場合があります。NCNPの不安症の認知行動療法でも、回避行動や不安を和らげるための行動を確認しながら、その人に合わせた介入を考えていきます。
自分一人では取り組むのが難しいほど不安が強い場合には、無理に慣れようとせず、専門家に相談してみましょう。
一人になると不安な状態が続くときは相談を

一人になると不安を感じることだけで、病気かどうかを判断することはできません。
ただし、このような状態なら・・・
🤔 一人になることへの強い不安が続いている。
🤔 不安を避けるために外出や予定を変えている。
🤔 常に誰かと連絡を取っていないと落ち着かない。
🤔 動悸や息苦しさ、震えなどが繰り返し起きる。
🤔 不安で眠れない日が続いている。
🤔 仕事や家事など日常生活に影響している。
といった場合には、一人で原因を決めず、医療機関などへの相談を考えてみてください。
不安そのものは誰にでも起こり得ますが、不安が強く、長く続き、生活への支障が大きくなっている場合には、専門的な支援が役立つことがあります。NCNPでも、不安症に対する認知行動療法では、その人の症状や状況を評価したうえで、認知面・行動面の両方から取り組むことが示されています。
また、動悸や息苦しさなど身体症状がある場合には、心の問題だけと決めつけないことも大切です。
身体の症状が気になる場合には、かかりつけ医や内科などへ相談する方法もあります。
まとめ|「一人が苦手」ではなく「何がつらい?」から考えてみよう
一人になると不安になる。
静かな時間が落ち着かない。
そんなとき、「私は一人でいられない人なんだ」と決めつける必要はありません。
まずは、「一人になったとき、何がつらくなるんだろう」と考えてみましょう。
🤔 静かになると考え事が始まるのか。
🤔 誰もいないことが心配なのか。
🤔 寂しいのか。
🤔 夜になると不安が強くなるのか。
🤔 何かあったとき助けてもらえないことが怖いのか。
中身が分かれば、対処も変わってきます。
考え事が始まるなら、考えている内容を整理する。
寂しいなら、人とのつながりを作る。
具体的な心配があるなら、必要な備えをする。
一人でいることそのものが不安なら、無理のない短い時間から過ごしてみる。
そして、不安が強く生活に影響しているなら、一人で何とかしようとせず相談する。
一人の時間を好きになる必要はありません。
まずは、「一人でも、それほどつらくない時間」を少しずつ増やしていく。
そこから始めてみましょう。