
「人と会っているときは普通に話せていたのに、家に帰った途端どっと疲れた」
「楽しかったはずなのに、一人になったらぐったりして何もしたくない」
そんなことはありませんか。
🤔 友人と食事をしたあと。
🤔 職場で人と話したあと。
🤔 親戚と会ったあと。
🤔 楽しい時間だったあと。
嫌なことを言われたわけでもないのに・・・
それなのに帰宅すると、「疲れた……」と動けなくなる。
すると・・・
「人付き合いが苦手なのかな」
「人と会うのが向いていないのかな」
と思うことがあります。
でも、人と会ったあとに疲れる理由は一つではありません。
会話中ずっと相手の反応を気にしていたのかもしれません。
自分の話し方や振る舞いを気にしていたのかもしれません。
普段より長く話したことや、移動、睡眠不足などが重なったのかもしれません。
だから、「人と会うと疲れる性格だから」と最初から決めなくても大丈夫です。
まずは、「今日、人と会っている間に何をしていて疲れたんだろう?」と振り返ってみましょう。
「楽しかった」と「疲れた」は両立する
人と会ったあとに疲れると、「楽しかったはずなのに、どうして?」と思うことがあります。
でも・・・
楽しかったことと、疲れたことは反するものではありません。
🤔 旅行が楽しくても疲れる。
🤔 趣味に夢中になっても疲れる。
🤔 一日出かければ、楽しくても体は疲れる。
人付き合いも同じです・・・
🤔 話を聞く。
🤔 自分も話す。
🤔 相手の表情を見る。
🤔 話題を考える。
🤔 場所を移動する。
🤔 普段とは違う時間に食事をする。
こうしたことが重なれば、楽しい時間でも疲れることはあります。
だからまず・・・
「疲れた=その人が嫌い」
「疲れた=人付き合いが苦手」
と結びつけなくても構いません。
「楽しかった。でも今日は疲れた」それでもいいのです。
人と会っている間、ずっと相手を見ていませんか?
人と話しているとき・・・
「退屈していないかな」
「今の言い方、大丈夫だったかな」
「何か話したほうがいいかな」
「相手は楽しんでいるかな」
と、相手の反応をずっと確認していることがあります・・・
もちろん、会話では相手を見ることも必要です。
でも、会話をすることに加えて、相手の反応まで絶えず確認しているとしたら、やることが増えます。
🤔 話を聞く。
🤔 返事を考える。
🤔 表情を見る。
🤔 反応を判断する。
🤔 次の話題を探す。
さらに、「今の自分は変じゃなかった?」まで確認してしまう。
これでは、会話をしている間ずっと頭が忙しくなります。
そんなときは、「私は人付き合いが苦手なのかな」ではなく、
「人といる間、相手の反応を確認し続けていなかったかな?」と振り返ってみましょう。
「ちゃんと話さなきゃ」と自分まで監視していませんか?
気疲れしているときには、相手だけでなく自分のことも気にしている場合があります。
🤔 沈黙しないようにしなきゃ。
🤔 面白いことを言わなきゃ。
🤔 感じよくしなきゃ。
🤔 変なことを言わないようにしなきゃ。
🤔 暗い人だと思われないようにしなきゃ。
こうなると、相手と話しながら、もう一人の自分が自分をチェックしている、そんな状態になります。
「今の返事は大丈夫」
「ちょっと話しすぎたかも」
「次は自分から話題を出そう」
そんなことまで考えていたら、疲れても不思議ではありません。
🤔 会話は毎回うまく進める必要はありません。
🤔 少し沈黙することもあります。
🤔 話題が途切れることだってあります。
🤔 言葉がすぐ出ないことなんてあります。
会話を成功させる責任を、自分一人で持たなくてもいい。
相手も会話に参加している一人です。
相手に合わせ続けていなかったか振り返ってみる

人と会ったあとに疲れたとき、その時間を思い返してみると・・・
🤔 本当は別の店に行きたかった。
🤔 本当はそろそろ帰りたかった。
🤔 本当はその話題には興味がなかった。
🤔 本当は少し休みたかった。
でも、ずっと相手に合わせていた、ということがあります。
もちろん、相手に合わせる場面はあります。
問題は、自分の希望が一度も会話や予定の中に入っていないことです。
次に人と会うときは、小さなことで構いません。
「私はこっちのお店がいいな」
「少し休憩しない?」
「今日はこのくらいで帰ろうかな」
と、自分の希望も少しだけ入れてみましょう。
人付き合いの負担を減らすには・・・
人と会わないようにするだけでなく、人といる時間の過ごし方を変えるという方法もあります。
「疲れた原因」を全部人間関係にしない
ここも大切です。
人と会った日に疲れると、「やっぱり人付き合いで疲れた」と思いやすくなります。
でも、その日は・・・
🤔 睡眠時間が短かった。
🤔 朝から仕事をしていた。
🤔 電車で長く移動した。
🤔 いつもより長時間外出した。
🤔 食事の時間がずれた。
🤔 暑かった、寒かった。
🤔 体調があまりよくなかった。
ということもあるでしょう。
人と会ったことが負担の一つだったとしても、疲れのすべてが人間関係とは限りません。
そんなときは、「人に会ったから疲れた」ではなく、「今日は何が重なって疲れた?」と考えてみましょう。
人間関係だけを原因にしてしまうと、「人に会わなければ疲れない」という結論になりやすくなります。
実際には、予定の入れ方や睡眠、移動時間を変えるだけで負担が減ることもあります。
家に帰ってから会話を「反省会」していませんか?
人と会っている間より、帰ってからのほうが疲れる、という人もいます。
「あの言い方、まずかったかな」
「しゃべりすぎたかもしれない」
「あの人、途中から静かだったな」
「何か嫌なこと言ったかな」
と、終わった会話を頭の中でもう一度始めてしまう。
こうなってしまうと・・・
実際の人付き合いは終わっているのに、頭の中ではまだ人付き合いが続いている、ことになります。
そんなときは、「今日、何か対応しなければならないことが残っている?」と確認してみましょう。
本当に失礼なことをしたなら、必要な対応をする。
確認したほうがよいことがあるなら確認する。
でも・・・
🤔 相手の表情。
🤔 相手がどう思ったか。
🤔 自分がどう見えたか。
など、今考えても答えが分からないことなら、「今日はここまで」と区切っても構いません。
人と会う時間だけでなく、人と会ったあとの反省会を短くすることも、気疲れを減らす方法の一つです。
人と会ったあとは「回復する時間」を予定に入れておく
人と会ったあとに疲れやすいことが分かっているなら、
疲れない人になろうとするより、疲れることを見込んで予定を組む、方法があります。
人と会った直後に別の予定を入れない。
🤔 帰宅後すぐに家事を全部やろうとしない。
🤔 少し座って休む。
🤔 着替えて一息つく。
🤔 お茶を飲む。
🤔 静かな時間を作る。
🤔 軽く体を動かす。
自分が落ち着きやすい方法を使って構いません。
厚生労働省「こころの耳」でも、ストレスへのセルフケアとして、心身の緊張に気づき、自分に合ったリラクセーションなどを取り入れることが紹介されています。
大切なのは、「疲れてしまったから休む」のではなく、「疲れやすい予定だから、最初から休む時間も予定に入れる」ことです。
休息も、その日の予定の一部にしてみましょう。
人と会う「時間」を少し調整してみる

人付き合いの負担を減らすというと、「会うか、会わないか」の二択になりがちです。
でも、その間にもいろいろあります。
🤔 3時間会うと疲れるなら、1時間半にする。
🤔 一日出かけるのが大変なら、ランチだけにする。
🤔 大人数だと疲れるなら、少人数で会う。
🤔 夜だと疲れやすいなら、昼に会う。
🤔 連日予定を入れるとつらいなら、間に何もない日を作る。
大切なのは、「人付き合いを減らすこと」ではなく、「自分が無理なく関われる条件を知ること」です。
自分にちょうどよい時間や人数、場所が分かってくると、人との関わり方を選びやすくなります。
「一人の時間が必要」なら、その時間を大切にする
人と会ったあと・・・
静かに過ごしたい、誰とも話したくない、少し一人になりたい、そう感じることがあります。
それだけで、「人嫌いなのかな」と考える必要はありません。
人と過ごしたあとに、一人で落ち着く時間がほしい人もいます。
大切なのは、自分にとって何が回復につながるのかを知ることです。
ただし、「一人になれば必ず回復する」とも限りません。
一人になった途端、会話の反省を何時間も始めてしまうなら、静かな時間がそのまま休息にならないこともあります。
その場合は、音楽を聴く、入浴する、散歩する、料理をする、テレビを見るなど、考え事以外へ注意を戻せる過ごし方、を取り入れてみてもよいでしょう。
人と会う前から疲れているなら、少し話が違う
「人と会ったあと」だけではなく・・・
約束が決まった時点から憂うつ、会う数日前から心配、当日は朝から緊張する、「行きたくない」と強く思う、という場合には、単純な「会ったあとの疲れ」とは少し違います。
何が不安なのか振り返ってみましょう。
会話が続くか心配なのか。
相手にどう思われるか不安なのか。
特定の人との関係がつらいのか。
体調や疲労が強いのか。
人に会うことそのものへの不安が大きくなっているのか。
NCNPの認知行動療法のセルフヘルプでも、出来事があったときの「考え・感情・身体反応・行動」を分けて整理する方法が紹介されています。
「人に会うと疲れる」という一言だけで終わらせず、会う前・会っている間・会ったあと、に分けてみると、自分がどこで消耗しているのか見つけやすくなります。
人付き合いを避けることが増えているなら
🤔 疲れるから、誘いをすべて断る。
🤔 人に会わないようにする。
🤔 連絡を返さなくなる。
🤔 外出を避ける。
そうすると、一時的には楽になることがあります。
疲れているときに予定を減らすこと自体は悪いことではありません。
ただ、「疲れるのが怖いから」という理由で、したいことまでできなくなっている、のであれば、少し注意してみましょう。
「人に会わない」だけで解決しようとするのではなく、
時間を短くできないか、人数を減らせないか、相手に合わせすぎていないか、会ったあとの予定を減らせないか、反省会を長く続けていないかと、負担になっている部分を小さくしてみます。
人付き合いを全部やめるのではなく、疲れにくい関わり方を探す。
そんな選択肢もあります。
疲れ方が以前と変わったなら、生活全体も振り返ろう
以前は人に会っても平気だったのに、最近はひどく疲れる。
そんな変化があるなら、人間関係だけでなく生活全体も確認してみましょう。
🤔 睡眠は取れているか。
🤔 食事は取れているか。
🤔 仕事や家庭の負担が増えていないか。
🤔 気分の落ち込みや不安が続いていないか。
🤔 人に会わない日でも強い疲労があるか。
厚生労働省では、ストレスが続くと「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」「不安」「落ち着かない」といった身体面・心理面の反応が現れることがあるとしています。
一方、疲労には心の状態だけでなく、身体の病気や睡眠などが関係する場合もあります。
だから、
「人付き合いに疲れただけ」
と最初から決めないことも大切です。
人と会うことが大きな負担になっているときは相談を

人と会ったあとに疲れることだけで、病気かどうかを判断することはできません。
ただ、
以前より人と会うことが大きな負担になった。
人に会うことへの強い不安が続いている。
人付き合いを避けることで生活できる範囲が狭くなっている。
疲労が強く、休んでも回復しにくい。
眠れない、食欲がない、気分が落ち込むなどほかの変化も続いている。
仕事や家事など日常生活に影響している。
といった場合には、一人で原因を決めず、医療機関などへ相談することも考えてみてください。
NCNPでも、疲労感や気力の低下、集中力や決断力の低下などは、ほかの症状と合わせて心身の状態を確認する必要があるものとして紹介されています。
また、人と会っていないときにも強い疲れが続く、動悸や息切れ、発熱、体重の変化など身体の症状がある場合には、心の問題だけと考えず、かかりつけ医や内科などへ相談する方法もあります。
まとめ|「人と会うと疲れる」ではなく「どこで疲れた?」を見つけてみよう
人と会ったあとにどっと疲れると、「私は人付き合いに向いていないのかな」と思うことがあります。
でも、そこで性格を決める前に、「今日は、どこで疲れたんだろう?」と振り返ってみましょう。
🤔 相手の反応をずっと気にしていたのか。
🤔 自分の振る舞いを監視していたのか。
🤔 相手に合わせ続けていたのか。
🤔 長時間だったのか。
🤔 移動や睡眠不足が重なっていたのか。
🤔 帰宅してから会話の反省会を続けていたのか。
疲れる原因が分かれば、対処も変わります。
相手の反応を確認しすぎているなら、会話を完璧にしようとしない。
相手に合わせすぎているなら、自分の希望も一つ伝える。
長時間が負担なら、会う時間を短くする。
帰宅後に疲れるなら、最初から休む時間を予定に入れる。
反省会が始まったら、「今できることは残っている?」と確認して区切る。
そして、疲れ方が以前と大きく変わったなら、人間関係だけでなく生活や心身の状態も見てみる。
「人と会わないようにする」だけが答えではありません。
自分はどんな人付き合いなら無理が少ないのか。
どのくらいの時間なら楽しめるのか。
人と会ったあと、どんな時間があれば戻ってこられるのか。
自分に合った人との関わり方を見つけていく。
そこから始めてみましょう。