
「特に悪いことが起きたわけではないのに、なんとなく不安」
「何が心配なのか自分でも分からないのに、気持ちが落ち着かない」
「この先、何か悪いことが起こりそうな気がする」
そんなふうに、理由をうまく説明できない不安が続くことがあります。
原因がはっきりしていれば、「これが心配なんだな」と理解できます。
困るのは、何が不安なのか自分でもよく分からないときです。
理由を探しても見つからない。
それなのに気持ちは落ち着かない。
すると今度は、「どうしてこんなに不安なんだろう」「何か悪いことが起きる前触れなのかな」と、不安になっていること自体が新しい不安になることもあります。
そんなときは、不安をすぐに消そうとするより、「私は何を心配しているんだろう」と少しずつ整理してみましょう。
この記事では、なんとなく不安が続くときに考えられることと、不安との向き合い方を紹介します。
理由がわからない不安はおかしいことなの?
不安というと・・・
「明日の仕事が心配」
「検査の結果が心配」
「人間関係がうまくいくか心配」
というように、原因がはっきりしているものを想像するかもしれません。
でも、不安の対象をうまく説明できないこともあります。
「なんとなく落ち着かない」「漠然と心配」という感じです。
そもそも不安は、人間に備わっている感情の一つです。
不安を感じたというだけで、「心がおかしくなった」「病気になった」と考える必要はありません。
大切なのは、不安があるかないかだけではなく、
どのくらい強いのか、どのくらい続いているのか、生活にどのくらい影響しているのか
というところまで見ていくことです。
「理由がない」のではなく、まだ整理できていないこともある
「理由もないのに不安になる」
と思っていても、本当に何のきっかけもないとは限りません。
たとえば・・・
👉 仕事で小さな心配事が続いている。
👉 家族のことが気になっている。
👉 将来のお金について考えている。
👉 人間関係で少し引っかかることがあった。
👉 最近よく眠れていない。
👉 ニュースを見て心配になることが増えた。
一つひとつを見れば、「これくらい大したことじゃない」と思うことかもしれません。
ところが、いくつか重なっていると、「何が原因なのか分からないけれど、ずっと落ち着かない」という状態になることがあります。
そんなときは、「不安の原因を一つ見つけなければ」と考えなくても大丈夫です。
「最近、気になっていることは何かあるかな」くらいから振り返ってみましょう。
なんとなく不安なときに振り返りたいこと

最近、心配事が増えていませんか?
大きな問題でなくても構いません。
🤔 仕事。
🤔 家族。
🤔 健康。
🤔 お金。
🤔 人間関係。
🤔 将来。
「そういえば最近、このことをよく考えているな」というものがないでしょうか。
頭の中だけで考えていると、いくつもの心配事が一つの大きな不安のように感じられることがあります。
気になることがあれば、紙やスマートフォンのメモなどに書き出してみてもよいでしょう。
まだ起きていないことを何度も考えていませんか?
「もし失敗したらどうしよう」
「病気になったらどうしよう」
「この先うまくいかなかったらどうしよう」
不安があると、まだ起きていないことについて考え続けてしまうことがあります。
未来について考えること自体が悪いわけではありません。
実際に備えが必要なこともあります。
ただ、同じことを何度考えても新しい答えが出てこないなら、「これは今考えれば解決できることかな?」と一度立ち止まってみましょう。
今できることがあるなら、それを一つ決める。
今はできることがないなら、いったん考えるのを保留にする。
不安をゼロにするのではなく、「今できること」と「今は決められないこと」を分けるだけでも、頭の中を整理しやすくなります。
睡眠や疲れ方に変化はありませんか?
不安だけを見るのではなく、最近の生活全体も振り返ってみましょう。
🤔 眠る時間が短くなっていないか。
🤔 夜中に何度も目が覚めていないか。
🤔 朝起きても疲れていないか。
🤔 食事が乱れていないか。
🤔 仕事や予定が増えていないか。
厚生労働省「こころの耳」では、不安感や緊張感のほか、不眠などもストレスによって現れることがある変化として挙げています。
だからといって、「眠れていないから不安になった」と原因を一つに決める必要はありません。
不安だけでなく、最近の自分全体を見る。
そのくらいの捉え方で十分です。
情報を追い続けていませんか?
ニュースやSNSを見て、「もっと詳しく知れば安心できる」と思うことがあります。
ところが、一つ調べると別の心配が出てきて、さらに検索する。
そして気づけば、ずっと不安に関する情報を追い続けている。
そんなこともあります。
特に、調べても安心できず、何度も同じことを検索しているなら・・・
「今は情報を増やす時間ではないかもしれない」と考えて、スマートフォンから少し離れてみるのも一つです。
不安をすぐに消そうとしなくてもいい
不安になると、「早く安心したい」と思うのは当然です。
でも・・・
「不安になってはいけない」「今すぐこの気持ちをなくさなければ」と考えるほど、不安ばかりに注意が向いてしまうことがあります。
そんなときは・・・
「今、不安を感じているんだな」と、まず今の状態を確認してみましょう。
これは、不安を我慢するという意味ではありません。
また、「不安を受け入れれば必ず楽になる」という意味でもありません。
今すぐ結論を出そうとせず、「不安がある状態で、今できることは何だろう」と考えるための一度の区切りです。
なんとなく不安なときに試したいこと

心配していることを書き出してみる
頭の中にあることを、そのまま書いてみましょう。
「明日の仕事が心配」
「親の体調が気になる」
「最近眠れていない」
「理由は分からないけれど落ち着かない」
きれいに整理する必要はありません。
書いたあとに、「今できること」と「今考えても答えが出ないこと」に分けてみます。
今できることがあれば、一つだけ行動を決めます。
答えが出ないものは、「今日はここまで」としても構いません。
体の緊張を少しゆるめる
不安が強いときには、体にも緊張が現れることがあります。
肩に力が入っている。
呼吸が速くなっている。
じっとしていられない。
そんなことに気づいたら、楽な姿勢になり、ゆっくり呼吸してみましょう。
無理にたくさん息を吸う必要はありません。
ゆっくり吐くことを意識しながら、自分のペースで呼吸します。
厚生労働省「こころの耳」でも、呼吸法は心身の緊張をゆるめるリラクセーション法の一つとして紹介されています。
「今できること」に戻ってみる
不安は、「この先どうなるんだろう」という未来のことに広がっていくことがあります。
そんなときは、今日できることまで戻ってみます。
🤔 食事をする。
🤔 シャワーを浴びる。
🤔 明日の準備をする。
🤔 10分だけ散歩する。
🤔 一つ連絡をする。
🤔 必要な予約を取る。
大きな答えを出す必要はありません。
「これからどうなる?」ではなく、「今日は何をする?」まで戻してみましょう。
「考えれば安心できる」とは限らない
不安なときほど、「もっと考えれば答えが出るはず」と思ってしまうことがあります。
もちろん、考えることで解決できる問題もあります。
でも・・・
🤔 同じことを何度も考えている。
🤔 結論が出てもまた考え直してしまう。
🤔 誰かに「大丈夫」と言われてもすぐ不安になる。
🤔 検索して安心しても、また調べたくなる。
そんな状態なら、考えることそのものが負担になっている可能性があります。
その場合は・・・
「もっと考える」から「いったん考えるのをやめて別の行動をする」
へ切り替えてみることも一つの方法です。
不安を完全になくしてから生活するのではなく、少し不安が残っていても、食事をする、家事をする、好きなことをするなど、いつもの生活へ戻ってみましょう。
不安が続いて生活に影響しているときは相談を

不安は誰にでもある感情です。
ただし・・・
- 不安が強く、なかなかおさまらない
- 心配事を長い時間考え続けている
- 不安で眠れない状態が続いている
- 動悸や息苦しさ、発汗、震えなどが起こる
- 不安を避けるために外出や人付き合いを控えるようになった
- 仕事や家事など日常生活に支障が出ている
といった状態が続いている場合には、一人で原因を判断せず、専門家に相談することも考えてみましょう。
不安が強く続き、生活に大きな支障が出る状態には、不安症などが関係している場合もあります。
また、動悸や息苦しさなどの身体症状には、心の状態以外の原因が関係することもあります。
「不安だから心療内科」と最初から決める必要はありません。
身体の症状が気になる場合には、かかりつけ医や内科などへ相談する方法もあります。
つらさが強いときは、長期間我慢してから相談する必要もありません。
まとめ|理由を無理に一つに決めなくてもいい
なんとなく不安・・・
何が心配なのか、自分でもよく分からない。
そんな状態になると、
「原因を見つけなければ」
と焦ってしまうことがあります。
でも、不安の理由がいつも一つとは限りません。
🤔 仕事のこと。
🤔 家族のこと。
🤔 健康のこと。
🤔 将来のこと。
🤔 睡眠や疲れ。
いくつかのことが重なって、自分でもうまく説明できなくなっていることもあります。
そんなときは、「どうして不安なの?」と答えを急ぐより、「最近、何が気になっていたかな?」と少しずつ振り返ってみましょう。
そして、今できることは、一つやってみる。
今は答えが出ないことは、いったん置いておく。
不安が強く長く続き、生活に影響しているなら、一人で抱えず相談する。
不安を全部なくしてから前に進む必要はありません。
少し不安が残っていても、今日できることに戻ってみる。
そこから始めてみましょう。