
「布団に入ってもなかなか眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「眠ったはずなのに、朝起きるのがつらい」
睡眠の悩みは、ひとことで「眠れない」と言っても、人によって違います。
夜になると考えごとが止まらない人もいれば、いったん眠れるのに途中で目が覚める人もいます。
睡眠時間はとっているはずなのに、朝になると体が重くて動けない人もいるでしょう。
だから最初から、「ストレスのせいかな」、「もっと早く寝ればいいのかな」、と一つの原因に決めなくても大丈夫です。
まずは、「私は、睡眠のどこで困っているんだろう?」と振り返ってみましょう。
このページでは、眠る前、眠っている途中、朝起きるとき。
という3つの場面から、自分の状態を振り返っていきます。
睡眠の悩みは「何時間眠ったか」だけでは分からない
睡眠について考えると、「何時間眠れた?」が気になりやすいものです。
もちろん、睡眠時間は大切です。
でも、それだけでは十分ではありません。
同じ6時間睡眠でも、朝すっきり起きて日中も特に困らない人もいれば、強い眠気や疲れが残る人もいます。
反対に、長く寝床にいたのに・・・
・何度も目が覚めた。
・眠った感じがしない。
・朝からだるい。
ということもあります。
そこで、睡眠時間と一緒に・・・
・眠るまでどうだったか。
・夜中に何度も起きなかったか。
・朝起きたときどうだったか。
・日中の生活に影響していないか。
も見てみましょう。
大切なのは、「理想の睡眠がとれているか」ではなく、「今の睡眠で、自分がどこに困っているか?」です。
布団に入ると考えごとが止まらなくなる
日中は普通に過ごしていたのに、布団に入った途端・・・
明日の仕事や今日の会話のこと、将来のこと、過去の失敗などが、次々と頭に浮かんでくる。
「考えないようにしよう」と思うほど、また別のことを考えてしまう。
そして時計を見て、「もうこんな時間」、「あと何時間しか眠れない」、「明日起きられるかな」と、今度は眠れないこと自体が心配になってくる。
このような場合には、睡眠そのものより、眠る前に頭の中で始まる考えごとを、」整理したほうがよいかもしれません。
ここで大切なのは、頭を完全に空っぽにすることではありません。
夜に浮かんだことを、今夜できること、明日できること、今考えても答えが出ないこと、に分けてみます。
たとえば、「明日電話するのを忘れそう」ならメモできます。
でも、「あの人は私のことをどう思っているだろう」ということは、夜中に考えても確かな答えが出ないかもしれません。
そんなときは、「これは今夜考えることなのか?」と一度考えてみましょう。
布団に入ると頭が動き始めてしまう人は、
「考えすぎて眠れない理由|頭が休まらない夜に試したい対処法」で、夜の考えごとをもう少し詳しく整理してみてください。
いったん眠れるけれど、夜中に目が覚める
寝つくことはできる。
ところが、夜中の2時、3時、4時に、ふと目が覚める。
そして、「また起きてしまった」と時計を見る。
そこから眠れなくなり、「あと何時間眠れる?」、「明日はつらいだろうな」、と考え始める。
この場合は、寝つくことではなく、眠ったあと途中で目が覚めることが中心です。
夜中に目が覚めることを「中途覚醒」といいます。
ただ、一度目が覚めたからといって、すぐに睡眠の病気だとは限りません。
年齢によって睡眠の状態は変わりますし、尿意、暑さ・寒さ、音、飲酒、カフェイン、痛みやかゆみ、睡眠障害など、さまざまなことが関係する場合があります。
だから、「ストレスで眠りが浅い」と一つに決めないことが大切です。
そして夜中に目が覚めたときには、原因をその場で必死に探すより、「眠気が戻るまで、どうすれば焦らず過ごせるのか?」と考えてみます。
何度も時計を見ることで焦りが強くなるなら、時計を見えないようにする。
眠れないまま寝床で長く粘っているなら、一度寝床を離れて静かに過ごす。
「早くもう一度眠らなきゃ」と頑張りすぎない。
こうした工夫があります。
夜中に目が覚め、そのあと眠れなくなることが一番つらい人は、
「夜中に目が覚めるのはなぜ?|眠れなくなったときの対処法」を読んでみてください。
眠ったはずなのに、朝起きるのがつらい
夜は一応眠れている。
でも、目覚ましが鳴っても起きられない、体が重い、頭がぼんやりする、何度も二度寝してしまう、朝になると気持ちまで沈む。
そんな場合には、「朝が弱い」だけではなく、朝の何が一番つらいのか、を探ってみましょう。
・眠くて目を開けていられないのか。
・体がだるくて動けないのか。
・眠ったのに休んだ感じがしないのか。
・気持ちが起き上がれないのか。
・仕事の日だけ特につらいのか。
ここが違えば、見直すところも変わります。
睡眠時間が足りていないなら、夜の生活を見る必要があります。
平日と休日の時間が大きく違うなら、生活リズムを振り返る。
十分眠っているのに日中まで強い眠気があるなら、睡眠障害の可能性も考えます。
体のだるさやほかの身体症状があるなら、睡眠以外の原因を確認したほうがよい場合もあります。
仕事の日だけ強くつらいなら、「起きたあとに何が待っているのか?」という視点も必要です。
朝起きること自体が一番つらい人は・・・
「朝起きるのがつらい理由|体がだるくて起きられないときに見直したいこと」で、朝の状態をもう少し細かく見てみてください。
3つの悩みが重なることもある
ここまで読んで、「全部当てはまる」と思った人もいるかもしれません。
それも珍しいことではありません。
たとえば、
夜、考えごとをしてなかなか眠れない → ようやく眠ったのに、途中で目が覚める → 「また眠れない」と焦る → 睡眠が足りず、翌朝起きるのがつらい。
という流れになることもあります。
反対に、
夜中に何度も目が覚める → 翌朝つらい → 「今夜こそしっかり眠らなきゃ」と心配する → 布団に入ると睡眠のことを考えて眠れない。
という流れもあります。
だから、「自分はどの記事に当てはまるのか」を一つに決める必要はありません。
まず、「今、一番困っているのはどこなのか?」と考えてみましょう。
・寝つくところ。
・途中で目が覚めるところ。
・朝起きるところ。
一番負担が大きいところから見直していけば十分です。
「眠れるようにしなきゃ」と頑張りすぎていませんか?
睡眠に悩み始めると、寝る前はスマホ禁止、毎日同じ時間に寝る、ストレッチをする、入浴する、朝日を浴びる、運動する、カフェインを控えるなど、「睡眠に良いこと」を次々と始めたくなることがあります。
それぞれ役立つ場合もあります。
でも、全部守らなければ眠れない。
一つできなかったら今日はダメ。
という状態になると、睡眠を整えること自体が新しい仕事、になってしまいます。
このサイトでは、完璧な睡眠生活を目指す必要はないと考えます。
まずは、自分の睡眠に関係がありそうなことを一つ見つけて、小さく試してみる。
それくらいで構いません。
眠りまで「ちゃんとしなきゃ」の対象にしないことも大切です。
「眠れない夜」を一晩ごとに採点しない
よく眠れた、あまり眠れなかった、途中で起きた、朝つらかった・・・
睡眠には日による違いがあります。
ところが、一晩眠れないと、「またダメだった」と思い、翌晩は、「今日は絶対眠らなきゃ」と緊張することがあります。
そして眠れないと、「やっぱり自分は眠れない」と感じる。
こうして、一晩ごとの睡眠が、成功か失敗かの採点になってしまうことがあります。
そこで、
一晩だけではなく、数日からしばらくの流れを見てみましょう。
・最近どのくらい眠れているか?
・夜中に目が覚める回数はどのくらいあるか?
・朝の状態はどうか?
・昼間眠くないか?
・仕事や家事に影響していないか?
こうして見ると、「昨日眠れなかった」だけでは分からなかったことが見えてくる場合があります。
睡眠時間だけでなく「日中」を見てみる
夜のことばかり考えていると、「何時間眠れたか」だけが気になります。
でも睡眠は、次の日をどう過ごせているのか?とも関係しています。
・日中に強い眠気があるのか?
・仕事中に居眠りしそうになるのか?
・集中できなくなるのか?
・朝から強い疲れがあるのか?
・運転中に眠くなるのか?
・生活に大きな影響があるのか?
このような場合には、睡眠時間の数字だけで判断しないことが大切です。
特に、運転中や仕事中に強い眠気が出る場合は、安全にも関わります。
「自分は睡眠時間が短いから仕方ない」だけで済ませず、原因を確認しましょう。
「眠れない=ストレス」と一つに決めない
このサイトでは、ストレスや不安について多く扱っています。
実際、心配事や強いストレスが睡眠に影響する場合があります。
ただ、睡眠の問題をすべてストレスで説明することはできません。
・生活リズムが不規則である。
・睡眠環境がよくない。
・カフェインを取りすぎている。
・飲酒が多くなっている。
・服用している薬の影響かも。
・痛みやかゆみがある。
・夜間頻尿である。
・睡眠時無呼吸の可能性がある。
・むずむず脚症候群かもしれない。
・そのほかの身体的・精神的な状態が不安定。
さまざまなことが関係する場合があります。
だから、「最近ストレスがあるから、眠れないのはそのせい」と思っていても、ほかに変化がないか確認してみましょう。
「休めない」のは、睡眠だけとは限らない
・長く眠ったのに疲れが抜けない。
・休日なのにずっと何かしてしまう。
・何もしないでいると落ち着かない。
・体は横になっているのに、頭の中では予定や心配事が動き続けている。
こういう場合は、「眠れない」というより、休むことそのものが難しくなっている、こともあります。
たとえば・・・
「休んでいる場合じゃない」
「何もしない時間はもったいない」
という気持ちが強いなら、睡眠のカテゴリーだけではなく・・・
「休むことに罪悪感を感じる理由|何もしない時間を不安に感じるときの考え方」のほうが、自分の状態に近いかもしれません。
また、
心や体の疲れそのものが強いなら、「心が疲れたとき」の記事を読むほうが役立つ場合もあります。
悩みをカテゴリーへ無理に合わせる必要はありません。
今の自分に一番近い入口から読んでみてください。
朝まで一度も起きず、毎日すっきり起きることだけが「良い睡眠」ではない
睡眠について調べると、「理想の睡眠」が気になることがあります。
・朝まで一度も目が覚めない。
・毎晩同じ時間に眠る。
・朝はすっきり起きる。
昼間はまったく眠くない。
でも、睡眠には個人差があります。
年齢によっても変化します。
大切なのは、誰かの理想的な睡眠に合わせることより、自分が日中の生活を無理なく続けられる睡眠になっているかを見ることです。
「夜中に一度起きたから失敗」、「7時間眠れなかったからダメ」と、一つの数字や出来事だけで判断しないようにしましょう。
生活を見直しても続く睡眠の悩みは、相談していい
睡眠の問題には、生活習慣や環境を見直すことで変わるものがあります。
一方で、それだけでは改善しない場合もあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、
睡眠環境や生活習慣、嗜好品などを見直しても睡眠の問題が続く場合には、睡眠障害が隠れている可能性があるため、医療機関へ相談することが勧められています。
たとえば・・・
・なかなか寝つけない状態が続く。
・夜中に何度も目が覚める。
・十分眠っているはずなのに休んだ感じがしない。
・日中の眠気が強い。
・朝起きられず生活に支障が出ている。
・大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘される。
・脚の強い不快感などで眠れない。
といった場合には、「睡眠が下手なだけ」と決めつけないようにしましょう。
医療機関へ相談するときには、「眠れません」だけでなく・・・
寝つくのに時間がかかる、何時ごろ目が覚める、何回くらい起きる、朝起きられない、日中眠い、いつごろから続いている。
など、自分が一番困っていることを伝えると分かりやすくなります。
まとめ|「眠れない」ではなく「睡眠のどこで困っている?」から考えてみよう
睡眠がうまくいかないと、「もっと早く寝なきゃ」、「もっと長く眠らなきゃ」、「今夜こそちゃんと眠らなきゃ」、と思うことがあります。
でも、その前に、「私は、睡眠のどこで困っているんだろう?」と探ってみましょう。
布団に入ると考えごとが止まらない。
いったん眠れるけれど夜中に目が覚める。
眠ったはずなのに朝起きられない。
いくつか重なっているなら、今一番困っているところからで構いません。
そして、睡眠だけを見るのではなく、生活のリズム。
心配事、仕事や暮らしの負担、身体の状態、日中の眠気、なども一緒に見ていきます。
目指すのは、「毎晩完璧に眠ること」ではありません。
自分の睡眠のどこに困っているかを知り、必要なところを少しずつ見直していくことです。
今夜、「ちゃんと眠れるかな」と不安になったら・・・
まず、「私は今、眠る前・眠っている途中・朝のどこで一番困っているのか?」と考えてみてください。
そこが分かると、次に何を見直せばよいのかも、少し見つけやすくなります。