
「もう少し頑張らなきゃ」、「ちゃんとしなきゃ」、「休んでいる場合じゃない」、そう思って動き続けているうちに、気づけば疲れ切っていた。
そんなことはありませんか?
頑張ること自体が悪いわけではありません。
仕事をすることも、家事をすることも、誰かのために動くことも、自分の目標に向かって努力することもあります。
ただ、疲れているのに頑張る量を減らせない、十分やったはずなのに「まだ足りない」と感じる、休んでいると罪悪感がある、失敗すると、いつまでも自分を責めてしまう。
こんな状態が続いているなら、「もっと頑張れるか」ではなく、「私は、どこで自分を追い込んでいるんだろう?」と考えてみてもよいかもしれません。
「頑張りすぎ」と一言でいっても、その苦しさは人によって違います。
このページでは、自分の頑張り方を少しずつ振り返っていきます。
「頑張りすぎているか」は、頑張った時間だけでは分からない
忙しい時期に、一時的に頑張ることはあります。
大切な予定の前に、いつもより力を入れることもあるでしょう。
だから、「一日何時間以上働いたら頑張りすぎ」というように、単純に決めることはできません。
むしろ見ておきたいのは、頑張ったあと、自分がどうなっているかです。
疲れているのに予定を減らせない、家に帰っても頭が仕事から離れない。
休みの日にも「何かしなきゃ」と落ち着かない、以前よりイライラする、集中しにくくなった、眠っても疲れた感じがする、何もしたくない日が増えた。こうした変化があるなら・・・
「まだできるから大丈夫」だけで判断しないことも大切です!
では、自分はどこで無理をしているのでしょう。
ここから少しずつ探してみましょう。
疲れていても「もう少し」が止められない
「これだけ終わらせよう」と思って始めたのに、
一つ終わると、次が気になる、それも終わらせると、また別のことに気づく、気づけば予定していた時間を大きく過ぎていた。
そんなことがよくあるなら・・・
問題になっているのは、頑張ることそのものより、頑張る量を自分で調整しにくくなっていることかもしれません。
「まだできる」、「あと少しなら」、「今日やったほうが楽だから」を繰り返していると、休むタイミングは後ろへずれていきます。
そんなときには、「もっと頑張れる?」ではなく、「この頑張り方を、このまま続けて大丈夫?」と考えてみます。
「全部終わったら休む」ではなく、「今日はここまで」と先に終わりを決めておく。
やることを増やすだけでなく、減らせることを探す。
自分一人で抱えていることを、一つ誰かに頼んでみる。
頑張らない人になる必要はありません。
必要なところでは頑張り、減らせるところでは減らす。
その調整が難しくなっていると感じるなら・・・
詳しくは「頑張りすぎてしまう理由|無理を続けないために見直したいこと」で、自分の頑張り方を振り返ってみてください。
何をしても「もっとちゃんと」が残ってしまう
頑張る量はそれほど多くない、それでも疲れる。
そんな場合には、自分に求めている基準、が関係していることがあります。
仕事は間違えずにやらなきゃ、家事はきちんとしなきゃ、人に迷惑をかけちゃいけない、頼まれたら応えなきゃ、失敗しちゃいけない・・・
一つ一つはもっともらしく見えます。
でも、「ちゃんと」には、はっきりした終わりがありません。
資料を作るなら、必要な情報が伝われば十分なのか、誰からも一か所も指摘されないところまで仕上げるのか、家事なら、生活できる状態ならよいのか、いつも完璧に整っていなければならないのか・・・
基準が曖昧なまま、「ちゃんとしなきゃ」だけが残っていると、どこまでやっても「まだ足りない」と感じやすくなります。
そんなときは、「今回は、何をどこまでできれば十分?」と具体的にしてみます。
「ちゃんとしなくてもいい」と無理に考える必要はありません。
必要なのは、今の自分に合った現実的な基準になっているかを確かめることです。
「ちゃんと」がどんどん厳しくなっていると感じるなら・・・
「『ちゃんとしなきゃ』と思って疲れる理由|自分を追い込みすぎないための考え方」で、自分の中にある基準をもう少し詳しく見てみましょう。
やることが終わっても、休んでいると落ち着かない
仕事が終わった、家事も済んだ、今日はもう急いでやることはない・・・
それなのに、ソファに座っていると、「こんなことしていていいのかな」と思う。
休日にも、「何か有意義なことをしなきゃ」と予定を入れる。
何もしないまま一日が終わると、「一日を無駄にした」と感じる。
この場合は、
頑張る量や「ちゃんと」の基準とは少し違います。
気になっているのは、休んでいる自分をどう評価しているかかもしれません。
何かしている自分には価値がある、役に立っている時間は意味がある、何もしない時間はもったいない・・・
そんな考えがあると、体を休めていても心は落ち着きにくくなります。
そこで、「休んでもいい」と何度も言い聞かせる前に、「私は、なぜ休むと悪いことをしている気がするんだろう?」と考えてみます。
なぜ怠けていると思うのか?、なぜ時間を無駄にしていると感じるのか?、なぜ人より遅れてしまいそうの思うのか?、なぜ誰かに申し訳ないと思うのか?、なぜ役に立っていない自分が嫌なのか?・・・
理由によって、見直すところも違います。
何もしない時間になると落ち着かない人は・・・
「休むことに罪悪感を感じる理由|何もしない時間を不安に感じるときの考え方」を読んでみてください。
失敗すると「自分はダメだ」まで広がってしまう
頑張っている人がつらくなるのは、頑張っている最中だけとは限りません。
仕事でミスをした、余計なことを言った、約束を忘れた、判断を間違えた。
すると、「あのとき、こうすればよかった」と何度も考える。
そして、「失敗した」だったはずの出来事が・・・
「こんなこともできない」、「いつも自分はこうだ」、「自分はダメだ」へ広がってしまうことがあります。
失敗したことを振り返るのは大切です。
自分に責任があるなら、謝ったり、修正したりする必要もあります。
でも、反省することと、自分を責め続けることは同じではありません。
そんなときは、何が起きた? 自分に責任がある部分はどこ? 今できることはある?
次から何を変えるのか?と、出来事そのものへ戻ってみます。
そして、必要な対応が終わったら、「今これ以上、自分を責めることで、新しいことが何か分かる?」と考えてみましょう。
何度考えても同じ結論なら、反省会は終わっても構いません。
失敗や後悔が頭から離れず、自分全体を否定してしまうときは・・・
「自分を責めてしまう理由|失敗や後悔から気持ちを切り替えるための考え方」で、出来事と自分への評価を分けて整理してみてください。
4つの苦しさは、きれいに分かれるとは限らない
ここまで読んで、「私は一つじゃないな」と思った人もいるかもしれません。
それで構いません。
たとえば・・・
「ちゃんとしなきゃ」という基準がある → だから頑張りすぎる → 疲れても休むと罪悪感がある → ついに失敗すると自分を責める。
というように、いくつかがつながっていることもあります。
だから、「私はどのタイプ?」と一つに決める必要はありません。
むしろ、「今、一番自分を苦しくしているのはどこ?」と考えてみましょう。
今は仕事量が多すぎるなら、まず量を減らす。
「ちゃんとしなきゃ」が強いなら、基準を見る。
休むと落ち着かないなら、休んでいる自分への評価を見る。
失敗が頭から離れないなら、反省と自己否定を分ける。
全部を一度に直そうとしなくても構いません。
「頑張りすぎ」は性格だけの問題ではない
頑張りすぎると、「自分は真面目すぎるから」、「性格だから仕方ない」と思うことがあります。
でも、本人の考え方だけでは説明できないこともあります。
人手が足りない職場、仕事量が多すぎる、家事や育児、介護が一人に偏っている、休みにくい雰囲気がある、経済的な事情がある、誰かから強い期待や要求を受けている・・・
こうした環境なら、自分の考え方を変えるだけでは負担は十分に減りません。
必要なのは、仕事量を相談する、役割を分担する、期限を見直す、利用できる制度やサービスを調べる、信頼できる人に状況を伝える、といった、環境側の調整かもしれません。
「自分がもっと上手に頑張れば解決できる」と、環境の問題まで自分一人で背負わないことも大切です。
「自分を追い込まない」が新しい目標にならないように
頑張りすぎに気づくと、「これからは無理をしないようにしよう」と思います。
すると今度は・・・
「今日はまた頑張りすぎてしまった」、「うまく休めなかった」、「また自分を責めてしまった」と、頑張りすぎを直すことまで頑張ってしまうことがあります。
これは、ちょっともったいないところです。
考え方や行動の癖は、気づいた瞬間に全部変わるとは限りません。
また頑張りすぎた、また「ちゃんとしなきゃ」と思った。、休んでいると落ち着かなかった、失敗を何度も思い出した。
そんなときは、「またやってしまった」だけで終わらず、「今回は、どこで気づけた?」と見てみましょう。
以前は疲れ切るまで気づかなかったが、今回は途中で気づいた。
それなら、そこで一つ減らせるかもしれません。
「気づく → 少し調整する」くらいから始めてもよいのです。
今日から全部変えなくてもいい
頑張りすぎて疲れているときに、生活を大きく変えようとすると、それ自体が新しい負担になります。
だから、最初は一つで構いません。
今日やることを一つ減らす、「全部終わったら」ではなく、終える時間を決める、「ちゃんと」を一段階だけゆるめる、休む時間を先に予定へ入れる、頼まれごとにすぐ返事をしない、失敗について考える時間に終わりを決める。
そして、「実際に何が起きた?」を見てみます。
思ったほど問題は起きなかった、少し不安だった、やっぱりここは丁寧にしたほうがよかった、自分が思っていた以上に疲れていた、どんなことでも構いません。
自分に合う調整方法は、実際に試しながら探していけます。
まとめ|「もっと頑張れる?」より「私はどこで自分を追い込んでいる?」
頑張りすぎて疲れていると、「もう頑張らないようにしよう」と思うかもしれません。
でも、頑張ることそのものをなくす必要はありません。
見つけたいのは、自分がどこで無理をしているのかです。
疲れていても「もう少し」と続けてしまうのか、「ちゃんとしなきゃ」と高い基準を課しているのか、休んでいる自分に罪悪感があるのか、失敗すると、自分全体を責めてしまうのか、あるいは、自分一人では変えにくい環境にいるのか。
一つに決めなくても構いません。
今、一番負担になっているところから見ていきましょう。
そして・・・
一つ作業を減らす、一つ基準を見直す、少し休んでみる、必要な反省が終わったら、今日の生活へ戻る・・・
そのくらいから始めてもよいのです。
「もっと頑張れる?」ではなく、「私は、どこで自分を追い込んでいるんだろう?」ときどき、その問いを自分に向けてみてください。